土曜日学習会 5年算数「割合」を振り返って

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「2つの数量の関係を見出し、活用できる児童の育成~割合の難しさからの脱却~」
提案者 大田市立静間小学校 田淵野藍

5年算数「割合」の学習をするにあたり、どこの学年でどんなつまずきがあるのか整理された田淵先生の提案をもとに、改めてなぜ割合を学ぶのか、自分だったらどのように指導するのかを考えていきました。齊藤一弥先生には、参加者との授業のような対話形式で、以下のようなご指導をいただきました。

齊藤一弥先生のご指導

関係概念の育成

なぜ割合を勉強するのか?一言で表すと、関係概念の育成である。じゃあ、関係概念の育成とは何か。今日の値上がりの話で考えると、150×2は何をしてるのか?これを2年生や3年生の時にきちんと教えてほしい。2倍しているとはどういうことか?この数とこの数の関係を言っている。この2つの量の関係は、一方からみると2倍にあたる。この関係性を式で表している。重要なのは単位を決めること。包含除は300=150=2、等分除は300=2=150、さっきも出た300✕2分の1は6年でするが、これらは基準量の位置が変わっている。こういうことが自在にできるようになってほしい。基準量を動かすというのは子どもにとっては応介だが、よく見ると構造は変わらない。これを2年生では何やる、3年生では何やるということを教える側も共通理解しておかないといけない。バトンをどう渡していくか。

個別的知識の構造化

1番は関係概念、その下に概念的知識がある。今日やっている割合の見方には、他にも関係があるものとして倍概念や乗法の意味などがあり、これらの知識が組み合わさって構成されている。今回は割合の見方を育てていきたい。割合の見方を支えているものは、さっき言ったもの以外にもたくさんある。多くの先生方はこれらを躍起になって教えて、教えて終わっている。例えば、倍の考えや商の意味、比の三用法、小数倍、割り進むなど。これらが関係している学年は何年か?倍概念は2年、小数や割り進むは4年。先生方もおさえてはいるが、それがつながっていない。どれか1つということではなく、どういうふうに関わっているのか、それをつないでいくことが大事である。