6年「円の面積」の提案を振り返って(横浜)

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6年「円の面積」
横浜市立義務教育学校 霧ヶ丘学園 小学部

「円の面積」では、子どもがa×b の構造に気づき、そのよさを感じられるような授業展開にしたい。そのためには、子どもが自ら単位を見いだし、図形の特徴や性質を生かして効率的に考えようとする姿を目指していきたい。

逐次近似、極限のプロセス体験

能力とは内容の深い理解に支えられてはいるが、指導要領解説には内容の記載がほとんどない。ここに矛盾が生じている。なぜ、6年で「円の面積」か。それは、求積の考え方「a×b」の構造を子どもたちが見抜き、「乗法的思考」をさせたいからである。また、曲線で囲まれた図形の時には、まずは概括的に捉えることで大きな間違いをせずに済む。しかし、それでは求積の精度が低いため、極限の考え方を経験することで、より精度の高い求積方法へと近づいていく。既得の求積方法から類推し、規則性や関連性を見いだし、何が決まれば面積が決まるのか関数の考えを用いて、解決に生かしていくことが大切である。円周率は第5学年で学習するのに、なぜ円の求積は第6学年なのかについてH19のC S では円周率は「図形領域」に、円の求積は「量と測定領域」に属していた。しかし、H29のC S では、円周率も円の求積もどちらも同一の「図形領域」となった。このメリットを生かし、カリキュラムデザインの再考をすべきなのではないか。円の半径が変われば、円周の長さが変わることに着目し、合同な図形や正多角形の学習と関連づけながら、極限の考え方を経験していく。このように今までのの算数・数学教育のカリキュラム・デザインを見つめ直し、単元の本質的な問いを探究していくことで、よりよいカリキュラム開発へとしていきたい。