2月8日(土)5年「正多角形と円」を振り返って

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 5年「正多角形と円」

① 円の性質を用いて正多角形の性質を捉える
② 正多角形の性質を用いて円の性質を捉える
互いの図形を新たな観点で統合し、正多角形と円の性質に着目しながらそれぞれの図形の中に「同じ」を見ることができる児童、「図形の中に図形を見る」ことができる児童を育てたいと考え、提案を行った。

1.正多角形は円なの?

円も正多角形も「同じ」ものとしてみていきたいのなら、まず円という図形についてしっかり考える必要がある。図形には対象概念と関係概念があるから、円でもそれを考えないと。円というのはどういうものなのか。
つまり、外延と内包をはっきりもたなければ。今、人類は65537の辺をもつ正多角形をかくことができると証明されている(フェルマー素数)が、それは円ではない。しかし、さらに頂点を増やしていくと限りなく円に近づく。そこを人間は極限という考えでつないでいる。けれどそれでも円ではない。同じと考えることはいいけれど、同じではない。同じと考えるために数学的思考を使っているのだ。

2.図形の教材研究の視点

図形の概念には大きく2つある。1つは対象概念。もう1つは関係概念。円の対象概念として大事なのは外延と内包。外延とは円という図形がもっている大きさや形状、位置関係など。見かけ上のものは一端捨象しといて、集合として見る。ただ、円の形状は全部同じだから相似形、見かけは全部同じ。内包とは円という図形の共通の属性や性質であり、円でいうと中心からの距離の軌跡ということ。問題は正多角形の外延と内包で、これをしっかり調べていきたい。外延で言うと、相似形、簡単にいうと拡大図と縮図の関係。つまり円とまったく同じ。外延はまったく同じ。そういう意味で似ているという議論をしてほしい。(中略)構成は、作図のための勉強ではなくて内包という概念を理解しようという学習。つまり、五つの辺が等しいというのはどういうことか。今回は図形の中に図形を見る、ということは円の中に二等辺三角形を見るということ。円の中に同な5つの二等辺三角形が見えるということ。つまり、72度で回転しているということ。これが関係概念。点対称の回転移動。こういうのを関係概念という。一番重要な関係概念は全部合同であるということ。そしてもう一つは、その合同な二等辺三角形の位置関係はどのようになっているかということ。
(中略)図形の学習は、一般的に弁別、次に構成、そして性質というものを捉えて、最後に関係というものを捉える。必ずしも一方向ではないけれど、学習活動の多くはこういう流れで組まれている。内包を捉えたうえで最終的になぜ関係というものをやるかと言うと、他の概念との違いをはっきりさせたいから。正多角形の内包の説明をするために円がある。このように図形をどんな視点でみていくかしっかり軽理して、教材を研究していくことが大切だ。