
拡大図と縮図 〜プログラミングを用いた作図〜
第6学年「拡大図と縮図」において、プログラミングのウェブアプリを用いた拡大図、縮図の作図を中心に据えた提案でした。提案者の野村圭吾先生(追手門学院小学校)の主張は、「プログラミング上の座標を手がかりに、拡大図や縮図を作図したり、図形間の関係について問い直したりすることで、対応する辺の長さの関係を比や割合で捉えることにつながり、中学の関数領域につながる資質・能力の素地を養う」ということでした。
研究協議では、「単元構成において、プログラミングを第7時(本時)に取り入れたことの意図」「算数で扱う平面上の座標とプログラミング上の座標の違い」「どのような視点から、本実践と関数領域との関連を考えていたのか」「プログラミングを取り入れることのよさ」といった視点が議論の柱となりました。プログラミングを取り入れた野村先生の実践は提案性があり、図形領域で目指す資質・能力の育成を実現するために、プログラミングをどう活用すべきかについて、活発な議論が交わされました。
齊藤一弥先生からのご指導
①図形間の関係を比較する視点
これまでにしてきた「同じ形」を見いだす経験から、各種基本図形の決定条件を確認し、図形の決定条件を見いだすために座標や目盛りを用いること、それらの関係は等しい比で表すことができ、なおかつ、図形同士を重ねて示すことで任意の角度が固定されることから、「同じ形である」という判断が可能になるとの御指導をいただきました。
さらには、こうした学びを本時のみならず、単元内でつなげることの重要性についても、御指導をいただきました。
②ものの位置をいかに表してきたのか
第4学年の学習において、あるものの位置を表すために(53°の方向、5cm)のように、角度と長さの2つの情報が必要であると学んできていること、座標を使うことにより角度に目を向けなくても位置を決められるということが意識付くような授業づくりをしていくことが大切であると御指導いただきました。
③縮図はいかに役立つのか
拡大図・縮図活用の原点は測量にあること、仕事の目的をはっきりさせること(学ぶ価値)の重要性について御指導いただきました。
学習したことが、何かの仕事を実現していくために用いられていくまでを見越し、継続した指導が重要であるとの御指導をいただきました。