12月1日(日)御前崎学びの会の振り返り

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提案と協議の概要

今回は、神田教諭より『 じどう車くらべ 』 (光村図書1年下)、松波教諭と埴淵教諭より 『 紙コップの作り方/おもちゃの作り方をせつめいしよう 』 (光村図書2年下)の提案と協議を行った。提案と協議の中で、以下の3点が明らかとなった。「 言葉 に こだわらせる ことで、深い読みへとつながるということ」「低学年だからこそ、日常生活とのつながり意識した単元構想を考えること」「子供が学びの主語となるために環境設定をよく考える必要があること」である。

斎藤一弥先生より

① 『 じどう車くらべ 』 (光村図書1年下)神田教諭
② 『 紙コップの作り方/おもちゃの作り方をせつめいしよう 』 (光村図書2年下 松波教諭 埴 淵教諭


① 『 じどう車くらべ 』 (光村図書1年下)神田教諭

①ー1見方・考え方を働かせるとは?(WHY
国語科固有の見方・考え方から教材を考えると、今回は言葉(目的・構造)と対象(働く車..道具)の関係に着目させたい。その関係を具体的にすると、仕事の内容(目的)とつくりの様子(構造・仕組み)の2つがある。この2つの関係から、対象を多面的に捉えたい。さらに、その道具のもっているよさや大切さを出させたい。そのためには、子供自身がもつ自己の生活や体験と関連付けさせ、実感をもって気付かせたい。

①ー2子供にとっての学習対象は何か?(WHAT)
①ー1を働かせるために、どのような学習対象が好ましいのだろうか。教科書には『働く車の図鑑づくり』が提案されているが、本当に子供の生活経験が出てくるのか疑問が残る。そこで、より子供にとって身近にある対象(道具)として、歯ブラシやターナー、長靴などの日常生活で使う道具の図鑑でも良いのではないか。子供の生活経験を活かしやすく、実物を使って説明をすることもできる。そうすることで、これらの道具の裏側にある知恵に気付くことができる。子供の体験があるからこそ、子供が図鑑をいきいきと書くことができるのではないか。

② 『 紙コップの作り方/おもちゃの作り方をせつめいしよう 』
(光村図書2年下 松波教諭 埴淵教諭

②ー “書くために読む”とは?(WHAT)
今回はおもちゃの説明書を『書く』ことが単元のゴールである。その説明書の書き方を知るために『読む』という行為に必然性が生じる。さらには、完成した説明書を見て、実際におもちゃを作り、追体験(『読む』)をする。つまり、『書く』ことと『読む』ことの学習過程をリンクさせながら、単元を構想したい。また、「説明書を書きたい!」という思いの醸成のためには、「動機の所在」が必要となる。そのためには、生活科でのおもちゃ作りの中で、自分の作ったおもちゃという材に惚れ込むような学習過程が必須となる。

2子供の能力で未来志向のカリキュラムを描く(HOW)
未来志向のカリキュラムになるためには、「教科横断」「自由進度」「目的的活動」「形成」等がキーワードとして挙げられる。今回の単元は、国語科と生活科の合科関連指導が必須である。そのため、カリキュラムを描く際には、生活科の内容項目をきちんと把握し、関連付けて指導にあたること。さらに、未来志向のカリキュラムにするには当然、「個の学びの多様性」が出てくる。自由進度は「なるべくしてなるもの」で、「やろうと思ってやってはいけないもの」である。また、特に低学年は、豊富な生活経験や体験活動を通して、材への愛着やこだわり、知恵が出てくる。そのエネルギーをうまく活用し、国語科の「書く」「読む」へつなげたい。