2年「たし算とひき算」の提案を振り返って(横浜)

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2年 「たし算とひき算」
横浜市立獅子ケ谷小 真島慎也

経緯

問題文に「あわせて 」があると「 たし算 」とか「のこりは 」があると 、「ひき算」 と捉えがちだが 、児童がこのような単語レベルでの立式からの脱却を目指すと同時に、文章構造や使用される言葉遣いが加法の場面でも減法で答えを求めたり、減法の場面でも加法で答えを求めたりすることがあることを知えい 、加法と減法の相互関係を捉えることができるようにしたい。児童にとって図は、関係が視覚的に捉えられ、場面構造が明確になるというよさに気付くことができるために有効な手立てであるといえる。

加法及び減法で示される場面の理解として、順思考と逆思考が存在する。これまでの問題場面では、順思考が基本であり 、問題文にある言葉を頼りにして立式したり、操作から演算決定したりしてきた。 これらそれぞれについて、子どもが問題場面の中から、自らが考えていくべき対象がしっかり見えるように教師が課題を用意し、逆思考の問題場面の理解と図のよさを学んでいく。逆思考の問題場面に対することで、これまで行ってきた立式では上手くいかない→なので正しく三項関係を捉えないといけない→するとたし算かと思っていたのにひき算だった→どうして気付けたのか→図に表したからだ、といった「図がもつ数学的な表現のよさに気付く」ことにつながると考える。

概略

 まとめにおいて、「ぜんたいと ぶぶんに ちゅうもくし てずをみると、・・・」に関する記述がある。これは、加法と減法の相互関係に着目させようという意図が見られ、全体と部分1、部分2といった集合に目を向けて、加法と減法の関係を見せようという考え方であり、本提案においても用いていきたい。

加法逆の減法の場面を知り、場面、図、式の構造を理解したのち、同様の場面の問題作りを行うことを通して、自分自身における学びの深まりと他者と交流することによる相互理解をねらい、より深い加法及び減法の相互関係の捉えを図る。

齊藤先生より

数学的表現を用いた数学的活動について(CS75ページ参照)
「問題解決の過程や結果を具体物、図、数、式などを用いて表現、伝え合う活動」

この中の、
表現⇒事実や手続き、思考プロセス、判断の根拠
伝え合う⇒友達との交流、評価する、目的に応じたを示している。

子どもが図⇒式にするのになぜ難しかったか。
図にする過程を子どもが納得した上で共有することが大切。
表現方法の変換の際に、丁寧な翻訳が必要になる。