『学び続ける教師-いかに学びを描き続けてきたか-』を振り返って(豊中)

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4月6日 数学的な授業を創る会(豊中)レポート

 今も学びづくりにかかわり続ける
-子どもを語る前に子どもから学ぶ-

⼩学校1年算数科「除法(統合的な⾒⽅ の育成)」,中学校1年国語科「ごんぎつね(⽐較読みによる表現の効果の追究)」,⼩学校5年社会科「農業・⽶のブランド化(社会的事象の意味を多⾓的に考える)」など,近年の⿑藤先⽣のご実践を通して,⼦どもから学ぶという教師の姿勢について⽰唆をいただいた。⼦ どもの思考を尊重すること,⼦どもの気づき・疑問として⽴ち上がる声の裏には能⼒があること,このような意識で⼦どもをみとりたいと改めて学び直すことができた。

原体験を追体験し、問い直す
-学びの質を高めていくことの大切さ-

令和3年度の⿑藤先⽣のご実践,⼩学校6年家庭科「消費(⽬的に適した洗剤の購⼊の仕⽅)」は,平成12年度の横浜市⼤岡⼩学校での過去のご実践のリメイク。現⾏指導要領で新設された「消費」に関する授業実践は,今から20年以上も前にもすでに取り組まれていた。実践のリメイクを通して,資質・能⼒を育成する授業を問い直し,その意義を確認するとともに,より学びの質を深めていくための実践の諸条件を,今もなお更新し続けておられた。

今の授業づくりを支える原点
-能力ベイスを育む授業を問う-

20年以上前の横浜市⽴⼤岡⼩学校での研究と実践が、⿑藤先⽣の「資質・能⼒ベイス」の教育実践の原点。NHKの取材では、新しい教育課程に取り組む⼀弥先⽣が映し出された。⽣活改善のPDCAサイクルから数学化,問題発⾒・設定を経て数学的活動のサイクルへ,そして⽇常の事象に戻して考えるという,⼦どもの⽣活知や学習知が,問題を解決するための活性化された知識とへ拓かれていくトマトの授業。「⼦どもをみとることは特別なことじゃないんだよ。基本だよ。」「学び続ける教師集団は,先⽣が語る⾔葉が変わる。」授業づくりの原点,学び続ける教師の原点は,この⾔葉に表れていた。

教師が⾃⾝の能⼒を磨き続ける
-次代のカリキュラムを描く…学び続けることの意味-

指導する意味や価値を問い直すことが必要。小学校5年算数科「弁当屋の仕込み(最適解を追究する批判的思考ーデータの活用ー) 」の実践は,何のために算数を学ぶのかを私たちに問いかける。森信三先生の言葉を引用し,「とんなことが,どんな思考や生き方ができる子どもにしたいか」と語られた。
一教育の場が抜け殻にならぬよう,志を高くもちながら,できることを精一杯,楽しみながらー
私たち教師は,広い視野で,子どもの資質・能力を基盤にした学びを描くとはどういうことか,考え実践していかなければならないときにきている。