2024年3月16日 数学的な授業を創る会(豊中)レポート
そこに子どもの視点はあるか?
<カリキュラム>教育課程のこと。つまり、幼→小→中→高(K-12)の一定の辿るべき道筋である。
<マネジメント>編成(P)運営(D)評価(C)改善(A)
上記のことから、<カリキュラムマネジメント>とは、「教育課程におけるPDCAサイクルを計画的かつ組織的に推進すること」と捉えることができる。
<カリキュラム>を教育課程と定義したが、もう少し詳しく見ると、二つの意味が含まれていると考えることができる。
1.学習指導要領に示された学習段階に応じて配列されたもの
2.子どもたちが生活をしていく上で持つ疑問や問いや悩みなど、学習経験の総体
特に2について、これらを解決するための学びも教育課程の一部であると考え、教育課程を編成していくことが能力を育てる上では重要になってくる。それはなぜか。「子どもがカリキュラムの描き手になっている」からである。目の前の子どもたちの生活の中に生まれた問い、必然、切実、そういったようなものから学びが描かれ、それを学習指導要領で示されている内容と照らし合わせる中で、どのように単元化できるか。1と2が相互に関連してこそ能力が育つのである。
カリキュラムマネジメントの三層
カリキュラムマネジメントは三層になっていると捉えることができる。カリキュラムを描く子どもの存在を重視したマネジメントの在り方を問い直すことが必要である。また、子どもがカリキュラムを回していくこと。教員はそれをもとに日々マネジメントの在り方を問い直すことが大切である。
教育課程の質の保障
では、教育課程におけるPDCAサイクルを計画的かつ組織的に推進する理由は何か。それは教育課程の質の保障である。言い換えると「教育課程を能力ベイスで編成しているかどうか」ということになる。それは単元同士を繋げて活動するというようなことではなく、子どもがカリキュラムそのものをどのようにマネジメントするか、また、常に批判的思考をもってサイクルを省察し回し続けることで能力を育成していくようなカリキュラムを編成しなければ、能力が育つような教育課程の質は保障できないということである。
学習会を振り返って
「カリマネ」となんとなく使っているが、この意味をどれだけの教師が正しく理解しているのか。また、教科書を教えるだけでよいという考えはまだまだ現場に根強い。「カリマネ」の前に「内容ベイスからの脱却」が未だ現場の喫緊の課題であることは間違いない。どちらにも共通していることは「子どもの問いから学びを描いていく」ということである。子どもが常に発信している問いや疑問をキャッチしながら、教師は学びの伴走者として能力育成に取り組む姿勢が必要である。