3月3日(日)御前崎グループ学習会の振り返り

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令和六年度を見据え国語科の本質を軸に
五年生説明文教材の系統的な指導を考える

提案 高学年説明文単元について(伊藤)

「なぜ国語を学ぶのか」と問われたとき、すぐに答えられないのではないだろうか。国語を通してどのような資質・能力を身につけるのかを教師側が把握せずにいるため、学年間の積み上がりがイメージしにくいと考えられる。そこで、まずは小学校高学年の説明文の系統表を中学年や中学校と関連させながら作成することで、国語の本質からぶれない授業展開を構想できるのではないかと考えた。今回は光村図書の教科書教材を活用し、説明文を読むこと6単元を構造化して提案する。

提案 高学年説明文単元について(松浦)

5年生の1学期の説明文の単元では、読むことの4つの局面の「構造と内容の把握」に重きを置いて指導をしたい。特に、要旨を捉えるということに重きを置く。そうすることで、以後の5年生の学習でも、要旨を捉えた上で、「精査解釈」「考えの形成」等の局面への指導へと系統的に指導ができるのではないか。本教材【見立てる/言葉の意味が分かること】は、双方ともに双括型の文章構成で筆者の主張やまとめの中心が捉えやすい。そこで、本単元を考えた。

提案 高学年説明文単元について(長嶋)

5年生の3学期の説明文の単元では、読むことの4つの局面の「共有」に重きを置いて指導をしたい。5年生では、1学期、2学期と「構造と内容の把握」「精査解釈」と重きを置いて指導をしてきた。それまでの学びをもとに、3学期は「共有」に重きを置きたい。本教材文は「想像力のスイッチを入れよう」である。高学年にもなると、毎日様々な情報メディアを利用する。そこで、本教材文でも自分事として単元を展開しやすいのではないかと考える。

グループ協議

  • 国語科は育成する資質・能力の具体が見えにくい教科である。だからこそ、系統表を教師が年度当初などにつくることで、見通しをもち、指導をすることが可能になる。ただつくるのではなく、目指す子どもの姿を具体的な言葉で記すことが大事になる。
  • 国語科の学習では、言語活動を4つの局面を通して学んでいくことが大事になる。全ての説明文の単元で、全てを一生懸命行うと、カリキュラムフロー状態になってしまう。軽重をつけ、指導をしていくことが大事なのではないか。
  • 言語活動は日常の生活と他教科とつなげると指導効果が上がる。しかし、言語活動と教師のねらいたいことがずれてしまうことが懸念される。どうバランスをとるか。

斎藤一弥先生より

Why(目標について)

H20学習指導要領とH29学習指導要領の目標の文言を比較すると、H29学習指導要領では「言葉による見方考え方」「言語活動」の2つのキーワードが見えてくる。つまり、能力としての言語活動をどう捉えるかが、授業構想していく上でポイントなる。授業を考える時には、教師は教材文をどうするかで考えがちである。しかし、大事なことは能力としての言語活動と教材文との関係を教師が捉えておくということである。つまり、能力としての言語活動を教材文を通して実現するというプロセス志向で考えることが重要である。

What(内容について)

読む(説明文)のフェーズは、大きく分けて4つある。

  1. 構造と内容の把握(客観的)
  2. 精査・解釈(客観的)
  3. 考えの形成(主観的)
  4. 共有(主観的)

これらの4つのフェーズは読みの局面であると同時に内容になる。(H20学習指導要領では、大きく分けて2つの局面である。(①文章の解釈②考えの形成・交流))

How(方法について)

言語活動というのは、1つの方法、手続きに過ぎない。ゴール設定をすることで、目的的活動にする。そうすることで、学びのエンジンになる。また、言語活動のゴールを多様化させる。教師がきちんとしたいことは、「言語活動のプロセス」に重きを置くこと。言語活動のゴールは多様化させてもよい。(手紙、批評文、感想文…)これが、個別化になる。