2月17日(土)偶数月学習会を振り返って(大阪)

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  提案 「6年 場合の数」 

 【Why】なぜ6年生で場合の数を学習するのか 

 第6学年の場合の数の学習では、「観点を決めて整理して数える」ということを大切にしたい。そうすることで、事象を落ちや重なりなく調べられ(簡潔・明瞭)、順列、組み合わせのきまりや傾向、特徴を見い出し、よさを実感することで式に表すことや学習、生活に活かそうとする(発展)することができる。また、データの活用領域で培ってきた「統計的な問題解決」、「多面的に捉え考察する」2つの数学的な見方・考え方を生かして単元を進めていくことができる。 

 【What】場合の数で何を学ぶのか 

①順列、組み合わせの学習課題から「観点を決めて整 理して数える」という共通する見方に気づかせる。 
②調べたことをもとに、比較する場面を設定し、単位量あ たりの大きさから割合を求めて比較する。 
③不確定な事象を見通した批判的思考をもとに多数回 の試行から「同様に確からしい」場面(統計的 確率)を経験させる。 
④実際に試行した結果と観点を決めて求めた結果を比 較し、その結果の妥当性を多面的に考察する。 

「本当に そう言えるのか」という批判的な考察から、試行の回数を増やすことによって相対度数が確率に近づくという「大数の法則」(統計的確率)を実感させたい。 

 【How】どのように学習を進めるか 

 第5時では、じゃんけんの勝ち負けについて、1回勝負では2人組と3人組どちらの方が勝ちやすいかを比べる学習を行う。じゃんけんの起こり得る場合をすべて考えさせる際に観点を決めて、整理する考え方を通して活動する。今までとは違う比べる活動の時に、事象の起こりやすさを単位量あたりの大きさの考え方をもとにできると気づかせたい。そして、どちらも勝ちやすさが同じという結果をもとに、実際にそう言えるのか、多数回の試行を行い、回数をくり返すと本来の確率に近づく(大数の法則)という、統計的な起こりやすさを考察させるようにしたい。 

また、東京学芸大学附属小金井小学校の加固 希支男先生にお越しいただき、「割合」の授業づくりについて、 実際の実践を基に、ご指導いいただきました。 

【参加者の声】 

・加固先生、貴重なお話をいただきありがとうございました。5年生の「割合」の単元に至るまでの指導の大切さを強く感じました。割合はなんのために学ぶのか?、割合で比べるとは?子供たちが本質を見抜くような学びを実現させるために深い教材研究の必要性を感じました。 
・齊藤先生のお話を聞いて、学習指導要領を読んで理解していた「つもり」でいたことに気付く時間となりました。子供がしっかりと問うべき問いをもちながら数学的推論というプロセスをたどるような数学的活動をデザインできるよう教材研究をしていきたいと思いました。 

 齊藤先生からのご指導】

 ① ゴールは何か 

 過去の指導要領にも確率が位置づいており、事柄が起こり得る確からしさ、その信頼度をより高めていく、そのためのプロセスを学習することがこの単元において非常に大切である。確率とは言い換えると、傾向の把握であり、将来の予測である。比例として、この先も同じようになっていくであろうという推測ができる、いわゆる割合の学習ともつながってくる。 

 ② 数学らしく追求する 

 じゃんけんを3つの数字の組み合わせとして考ていくことで、落ちや重なりを考える際の思考の軽減にもつながり、4人やでじゃんけんするときはどうなるか、類推しながら考えていくことのよさを子どもたちに感じさせることができるような数学的なプロセスを踏んでいこうとすることが大切である。