大田市立鳥井小学校で、今年度4回目となる土曜日学習会が開催されました。学習会の前半は、2名の先生に提案発表をしていただきました。その後の協議では,グループごとに学年間のつながりや身に付けさせたい力とは?展開の仕方をどうしたらよいか?というテーマをもとに話し合いました。学習会の後半は、齊藤先生から指導助言をいただきました。割合で身につける能力とは?そもそも演算決定とは?について教えていただきました。
グループで出た意見(一部抜粋)
提案① 4年算数「倍の見方」 大田市立温泉津小学校 森長亜衣教諭
- 関数や割合、比の学習につながる。もとになるものを1と見る積み重ねが大切!
- 差で見ることが難しいと感じさせるような工夫があればよいのではないか?
提案② 6年算数「分数のかけ算わり算〜数直線を用いた演算決定について〜」
松江市立義務教育学校八束学園 肥後和子教諭
- 自分で図を描き、演算決定の根拠になるとよい。数値にばかり着目してしまうことがあるが、関係に着目できるようにしていく。
- 図の必要性や良さを実感できるように、低学年から図を描く経験を積み重ねていく。
提案への指導助言 島根県立大学教授 齊藤一弥
割合について
今日の話でも出た包帯が伸びたらどうなるかについて。子どもは、A から B への変化に目をつけるが、やりたいことは B は A の3つ分。何をしたいかというと、比較・測定をしたい。子どもは変化に興味があるが、A と B の関係を見ることが大事。割合の重要な見方は、関係性を捉えること、関係概念の育成。基準にする量を決めて、それを用いて測定していく。そうした見方を育てるためには、2年生からの積み重ねが大事になる。2年生で2を1と見ると?3を1と見ると?これが倍。そういう見方ができるようにする。分からなければアレイ図を用いてもよい。こうした見方が3年生の割り算につながり、4年生の簡単な割合に関わってくる。
演算決定について
そもそも演算決定とは?現行指導要領の39ページを一番読んでほしい。式指導は数量関係にあったが、数と計算に変わった。演算決定とは具体的な事象を式で表すこと。多くの場合、何算か決められるとなっているが、的確に表現できるか。今回は、式に表された関係を考察することとそれを用いた問題解決をすること、これらをしたいがために数と計算に入れた。関係を考察すると言ったが、学力テストの結果からも式をよめていない。だから問題が解けない。まず、具体をつかむ。イメージをつかむ。2 つ目は、関係の一般化。 3 つ目は、拡張と統合を図る。4 つ目は式をよむ。式をよむとは、数直線などのモデルの対応のことであり、ここが大事。
参加者の感想より(一部抜粋)
- ○を1として見る。2,3年生でしっかりとおさえることで、高学年へと上手くつながることがよく分かりました。
- 「教師の力量に子どもの成長がかかっている」「算数の段階的指導」→印象に残りました。