「図形の角を調べよう」松江市立佐太小学校 太田絵里教諭
島根県松江市立佐太小学校との合同研究会、総勢29名が参加しました。
9月の太田教諭の研究授業に向けての指導案検討では、参加者それぞれが「自分ならどんな授業を創りたいか?」というテーマで話し合い、以下のような意見を共有することができました。
系統性を生かした授業がしたい!
- 中学校の180°×(n―2)につながる授業
- 正多角形の学習へのつながりを意識した授業
- 合同な図形や色板並べなどの既習を生かした授業 等
理解が深まるような展開や支援を取り入れたい!
- 五角形、六角形の内角の和を求める問題を同時に解決する。
- 図と式を対応させて整理して帰納的に考え、一般化する。
- ICTを活用し、児童の理解の一助とする。 等
齊藤先生のご指導より
学習指導要領の読み方
資質・能力ベイスの現行指導要領は、目標がコンテンツフリーになっています。図形領域の指導は概念を学ぶために、基本図形があると考えます。具体的に言えば、4年生では、平行・垂直を学ぶために平行四辺形や台形があり、立体の垂直・平行(面と面、面と辺、辺と辺)を学ぶために立方体、直方体が貼り付いていると考えます。
そして、何より子供が主役。子供が既にもっている見方・考え方を働かせて問題解決を行い、新しい見方・考え方ができるようにしていくとともに、既存の見方・考え方を鍛えていくことが大事であるというご指導をいただきました。
Less is more!(少なく教えて、より多くを学ぶ)
「五角形の内角の和は、なぜ学習するのか?」
四角形の四つの角の大きさの和は、三角形の三つの角の大きさの和が180度であることを基にして考えることができる。このように,既に正しいことが明らかになっている事柄を基にして別の新しい事柄を説明していくことを演繹的に考えるという。
『小学校学習指導要領(平成29年告示)算数解説編より抜粋』
5年生の図形領域で初めて演繹的な考えを学習します。だからこそ、丁寧に指導することが大切です。では、四角形の内角の和の学習の後の五角形、六角形の内角の和の学習はどのように学習したらよいのか?どんな目標で学習したらよいのか?そもそも授業で扱う必要があるのか?ということもよく考える必要があります。
ここでの学習は中学校の内容である180°×(n-2)という式や5年生の内容である正多角形の概念形成につながっていきます。そう考えると授業のねらいや展開はどのようになるのでしょうか。授業改善の大きなヒントをいただきました。