3年 「かけ算」指導を振り返って(豊中)

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見方・考え方を働かせる 
第3学年「2位数×1位数」の授業

計算の根拠を⼦どもたちに“問い返す”

 今回のテーマは「数の相対的な⼤きさ」について。2位数×1位数の計算も乗法九九を⽤いて解決することができる根拠として、⼗や百を単位としてみることができているか、⼦どもたちに問います。⽊下先⽣は、前時の学習において、20×3の計算の仕⽅を「0を取って後で0を付ける」と表現する⼦どもたちの発⾔に問題意識を持たせ、「本当に0を取ってもいいの︖」問い返す中で、「10をもとにする」考え⽅を価値付けていかれました。

 本時は、23×3の計算の仕⽅について考える学習です。授業後半の様⼦を動画で視聴したあと、協議会では数の相対的な⼤きさについて、⼦どもたちにどのように獲得させていけばよいか、議論が進められました。数範囲を拡張する、数カードを⽤いる、筆算と往還させる、系統を意識するなど、様々な意⾒が出されました。

いかに数学的な⾒⽅・考え⽅を鍛えるか

 ⿑藤先⽣のご指導では、⼦どもが問うべき4つの問いについてご教⽰いただきました。4つの問いとは、根拠、整合性、⼀般性、よさ、です。⽊下先⽣のご提案では、計算の“根拠”について「位で分けて⼤丈夫︖」と問い返すことで、⼗進位取り記数法と数の相対的な⾒⽅の関係について、⼦どもたちがより深く知ろうとする問いとなります。

 また、数範囲を拡張することで“⼀般性”を図り、解釈を広げて“整合性”を図ろうとする問いが⽣まれます。さらに、2位数の乗法も乗法九九で解決できる“よさ”を感じることで、「先⽣、もうどんな⼤きな数でも計算できるね」と、未知の算数・数学を創ろうとする姿につながります。⼦どもが問うべき問いについて⾒通しを持って指導することの⼤切さを改めて学ぶことができました。

特別講演「数と計算の指導」

 最後に「数と計算の指導」と題して特別講演をいただきました。2年⽣の乗法の導⼊場⾯で、⼦どもたちに何を問うのか。⿑藤先⽣の授業では、あえて、わかりにくい例を挙げて「どうすれば⼀⽬で数がわかるようになるだろう」と問われていました。⼦どもたちは既習を⽣かして10のまとまりをつくったり、わかりやすく並べたりしながら、交換法則までもを⾒つけていきます。まとまりをつくる考え⽅は、単位の幾つ分、さらには関数の考えへとつながります。「もっといい並べ⽅がある」「それとこれは似ているよ」と、互いの考え⽅を⽐較しながら統合的・発展的に“⾃分で問いを創れる⼦ども”の姿を観せていただきました。

問うべき問いを繰り返すことで、⾃ら問いを創れる⼦どもへ。問いの質を⾼めることが授業づくりにおいて、重要であると強く実感しました。⿑藤先⽣、今回もありがとうございました︕︕