同じものと見る見方を育てる
〜乗法と除法の相互関係と包含除統合を位置付けた除法指導から〜
今回の西條先生の主張は、以下の2点でした。
- 順思考と逆思考で問題場面をイメージし、減法は加法の逆演算であるように、除法は乗法の逆演算であることを統合的に捉えること。(加減と乗除は同じ関係にあると見ること)
- 等分除と包含除の2つの除法を、具体操作を言語化することで、どちらの操作も「基準とする量がいくつ分あるか」という包含除的な見方に統合して捉えること。
協議では、包含除統合することは子供が「ちがうものを同じものと見る力」を養うための種まきの時間として重要であることや、除法の学習を通して乗法の理解をより深めていくことができるなどの意見が挙げられました。
また、包含除に統合する場面を単元のどこに位置付けるかについても話題になりました。等分除の学習場面で、前時までに学習してきた包含除の場面とのちがいを顕在化し、統合を図る方法もあるという意見が出されました。
齊藤先生からは、「統合そのものの価値」「統合することの価値」「統合へのプロセス」について教えていただきました。
- 子供が数学を創るプロセスを学ぶところに、統合そのものの価値があること
- 除数で被除数を取れるだけ取った回数(商)、つまり「除数を1と見たときの被除数の大きさ(割合)」として商の意味をまとめることに、統合することの価値があること
- 半具体物(図)の操作を通して、形式(式)と具体を往還させながら理解を深めていくこと。その中で、子供が具体を書き変える(つくり直す)作業も大切にしてほしい。
例)
12個を3⼈に分けると1⼈分は4個である。
↓
12個を3個ずつ配ると4回でなくなる。
(1度に3個配ると、それを4回繰り返すせば0になる)