第1学年における「求小」指導を振り返って(豊中)

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第1学年における「求小」指導

今回の沖野谷先生の提案は、統合的・発展的に考察する力を育てる授業を目指し、求小の演算決定と式の解釈に焦点を当てた実践でした。これまでの既習のひき算では、「取り除く」操作を定義とし、求算・求補・求差を統合的に捉えてきました。数学的活動を2サイクル回し、求小の場面でも、「取る」という操作から、まず演算を決定し、そして式の意味を解釈するという主張でした。

協議会板書

齊藤先生からは、式の役割や求小の価値について教えていだだきました。

  • 求小だけでなく、求大とセットで統合的に捉え、関係をつかむこと
  • 1年の計算は順思考しか扱えないが、2年の逆思考につまずかないようにするために、順思考での加法と減法 との相互関係を統合的に捉えること
  • 図が演算決定の根拠となり、将来的には順思考・逆思考の判断につながること など、数と計算の領域での学習対象を広く俯瞰して、系統立てて教材を研究することの大切さを学ぶことができました。
齊藤先生より

参加者の感想より(一部抜粋)

  • 統合的・発展的というテーマに基づき、着実に改善を重ねながら確かな実践を積み重ねてきている沖野谷先生の姿勢に、感服しました。低学年ほど、教材についての理解を深く、何をどう教えるのかをシンプルに考えなくてはいけないと思っています。子どもたちの思考をノートから丁寧に読み解き、どう統合的にみるべきなのかを分析していて、大変勉強になりました。私自身は低学年をもつことが最近は多く、その分「慣れ」が生まれ、ひき算としてどう統合していくのか、たし算との関連をどう図っているのかを、何となく流していたように思います。今は3年生を担任していますが、改めて加減乗除をどう統合していくのか、そして上学年へとつなげていくのかを考えて実践をしていこうと思いました。
  • 沖野谷先生の実践と齊藤先生のお話を聞き、一年生のときに、文書に書かれている場面を操作などで、数理的に解釈し、図、そして式に表すことや、一度式や図に表したものをもう一度説明できるようにする、といった経験を多くつむことの大切さを感じました。その過程で、学んできたことを改めて見返したときや、繰り返し同じ図を使っていく中で、あれ?何か似てる!〇〇と一緒やん!と言った子どもの声が聞けると、統合的に考察できている、というのとなのかな、と自分なりに考えました。
  • 豊中市学習会に初めて参加させていただきました。協議が活発で、じっくり考える機会となり、とても充実した時間となりました。ありがとうございました。個人的には、沖野谷先生の求残をベースにおくということは賛成なのですが、2年生の全体と残りにつながりにくいという悩みがありました。相互関係をもっと1年からみせていく手立てを考えて、統合していくことを試してみたいと思いました。斎藤先生のご講演で具体的に整理された気がします。感謝申し上げます。沖野谷先生、提案をありがとうございました。
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